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活元反応

活元反応

あるとき、指で首を押さえていると、固かった筋肉が急にグッグーと柔らかくなり、体の中から何かが抜けていくような感覚がありました。


今から考えると、初めて筋肉がリリースしたときでした。

でも、当時の私には何が起こったのかわかりませんでした。

ただ、体が急に軽くなり一時的ですが痛みから解放されました。


(なんだかこの方法でいいのかもしれない・・・)


直感を頼りに同じような方法で体の各部をさわっていくと、似たような現象がたびたび起こるようになりました。


体を触っているときは、ほとんど瞑想状態です。

押さえている部分、指の感触、体内の感覚などに意識を集中します。


そんなことをしていると、ある時、体を押さえていない左手が勝手に動いているのに気がつきました。

意味もなくグルグル動かしている、というより勝手に動いているのです。

だんだんその動きが速くなり、野球でボールを投げるような動作が連続で速く起こりました。

腕の振りでブンブンと音が鳴るくらいの速いスピードです。

誰かに腕を捕まれて動かされているような感覚です。

時間にして5分くらいだったと思いますが、恐ろしいというよりも珍しいものを見るような感じでした。


心理学を習っていたときに、活元反応といって、瞑想状態にあるときに無意識の働きで、体が自動的に治そうとして運動を始めるということを聞いたことがあり、これがその活元反応なんだろうと思いました。


その後、この活元反応は頻繁に現れるようになりました。

足が動いたり、体全体がエビのように曲がったり、首が驚くほどの角度で曲がったりいろいろです。

普段ならとても出来ないような疲れるはずの姿勢で何分間もじっとすることも多かったのです。

ある時には、全く経験のない武道の型のような動きをしたこともあります。

しかも全然疲れないのです。

疲れるどころか、難しい姿勢から解放されると、体がスッと軽くなっています。


もし、周りからこれを見ていれば変なことをしているくらいにしか思われなかったでしょうね。

このような状態がしばらく続きました。


リンパセラピーを始めて、自分の体で結果が出るようになると、他の人にもしてあげたくなり、友人知人に、最初は頼み込んで受けてもらいました。

頼み込んでというのは、今まで体を触る仕事などの世界に全く無縁だった私がやり始めたことだったので、信用がなかったのですね。


もっとも、震災で被災する前の私を知っている人に信じてもらえなかったもの無理はありません。

でも、それで結果が出たのです。

私は、先生に弟子入りして、本格的に治療を習ったことなどありません。

しかし、その私の施術で結果が出たことに自信を深めました。


この頃の私の頭の中には、

(これで自分の体が治るかもしれない!)

という希望がほとんどで、これでプロになって治療家としてやっていこうというのは、かすかな望み程度でした。


ある程度の結果が出るようになってしばらくしてから、東京の知人に応援をお願いしました。

麻田先生(仮名)ご夫妻で先生は法律関係のお仕事をされておられます。

 

(つづきはこちら)
 

1  若いころ   
2  阪神淡路大震災  
3  脱出  
4  お金が紙切れに  
5  何かが違う  
6  うつ病で退職  

7  見えない世界の入口 
8  治ったという思い込み 
9  原因は頚椎ヘルニア 
10 リンパセラピーとの出会い