鍼灸学校で
ここからは実際に私が鍼灸専門学校で体験し感じたままを書きます。
入学式当日
この歳で、今から鍼灸師になろうとするような人は、いるんだろうか?
と思いながら学校へ行きましたが、私より年上の方が何人もおられ、ものすごく心強い思いを持ちました。
学生の中には、すでに柔道整復師の資格を取得して開業準備している人もいます。
(まー私は今まで代替医療でやってきた経験があるからなんとかなるだろう)
実は、私は3年間学校へ行って適当に授業を受けていれば国家試験など簡単に合格できるかな、、、
などと内心思っていたのです。
この考えが甘いとわかるのに時間はかかりませんでした。
授業が始まりました。
解剖学、生理学、東洋医学概論、経穴経絡概論どれも初めて本を開く授業ばかりです。
(先生の言っている意味がわからない!)
特に困ったのは東洋医学です。
東洋医学概論は、先生が日本語で話しているのはわかるのですが内容はさっぱり理解できません。
外国語で授業を受けているみたいなものです。
経穴(ツボ)は毎週のように小テストがあります。
日本人を長いことやってきたのですが、教科書には見たことがない漢字ばかり並んでいます。
「先生、この漢字はなんと読むんですか?」
こんなレベルの質問をせざるおえません。
まるで小学生です。
国家試験に出る経穴は最低でも365個あります。
それらをすべて漢字で順番を間違えず覚えなければなりません。
それだけでなくその位置を正確に解剖学用語で覚えることも必要でした。
テストでは漢字を少しでも間違うと×がつきます。
まさかこの歳で漢字の書き取りをするなんて思いもよらなかったのです。
(こんな細かいことまで覚えるの?)
解剖学や生理学は代替医療ですこしかじっていたので大丈夫だろうとタカをくくっていました。
でも、全然レベルが違うのです。
覚えなければならないことが山のようにありました。
(えらいこっちゃ、どうしよう)
入学する前まで持っていた自信は何ら根拠のない妄想だったと気がつきました。
授業は月曜から金曜まで一日4時間あります。
出席率は一般科目80%以上実習90%以上なければ留年になってしまいますので滅多なことでは休めません。
(こんなことが3年も続くの?)
甘かったと後悔しても後戻りは出来ません。
なにしろ背水の陣です。
いろいろありましたがなんとか3年間無事に過ごすことが出来ました。
国家試験の直前は仕事なんてそっちのけで勉強しなければならず毎日冷や汗の連続でした。
でもなんとか国家試験にも合格出来たのは周りで支えてくれた家族や友人がいたからだと思います。
1 若いころ
2 阪神淡路大震災
3 脱出
4 お金が紙切れに
5 何かが違う
6 うつ病で退職
7 見えない世界の入口
8 治ったという思い込み
9 原因は頚椎ヘルニア
10 リンパセラピーとの出会い