体調不良の原因は頚椎ヘルニア
住んでいたマンションのローンを払うことが出来なくなり、競売にかかり残ったのは借金だけという有様でした。
でも、
なんとかしなければ!
と朝の3時から中央市場でネコ引きをしました。
「ネコ」とは、市場で野菜などを積んで運ぶ、はしごを横に寝かせたリヤカーのようなものです。
そのネコに野菜を何十ケースも積んでトラックに乗せ替えるという仕事です。
その仕事が終われば朝の7時からスーパーマーケットのトラック配送の仕事、
それが終われば自分の代替医療の仕事と勉強・・・。
よく体が持ったものだと思います。
でもお陰で体はずいぶん引き締まりました。
体と心は、全体的にある程度良くなってきたのですが、体の部分的な痛みと、つらさはよりはっきりと自覚するようになってきました。
どうやら10年ほど前の追突事故で負傷したむち打ちの後遺症のようです。
特に、首から肩にかけて痛みがはっきりしてきたので、いろいろな治療を試しましたが、あまり効果がありませんでした。
原因をはっきりさせようと思い、病院でMRIの検査を受けたところ、頸椎ヘルニアと診断されました。
頸椎ヘルニアという病気について説明します。
頸椎は、背骨の首の部分の骨で7個あります。
背骨(脊柱)は、積み木が重なったような構造になっていて、積み重なった骨と骨の間から神経がでているのですが、骨の圧迫や、骨棘といって骨が変形して神経を圧迫し痛みやしびれがでる病気です。
腰痛などでは、背骨の腰の部分が圧迫して痛みが出る腰椎ヘルニアがよく起こる病気として知られています。
私は、頸椎の5番と6番の間に骨棘が出来ていて、それが神経に触れ痛みを起こしているという診断でした。
私は医師に
「治療法はありますか?」
と聞いたところ、医師から
「首の牽引と遠赤外線などの温熱治療をしましょう。つらければ痛み止めを処方します。痛みが強ければブロック注射で痛みを止めます。」
と説明を受けました。
しかし、私はそれまでにヘルニアについては素人なりに勉強もしていましたので、牽引や温熱治療では治らないことを知っていましたし、ブロック注射というのは、麻酔薬を注射して痛みを止めるだけで完治をしないことも知っていましたので、他の治療法はないのですかと尋ねたところ、医師から
「頸椎の手術をして骨を削れば治りますが、神経が複雑に入り組んでいるところなので100%の保証は出来ません。もし、失敗すれば手や首などに運動障害が残るおそれがあり、最悪の場合、車いすの生活になりますのであまり手術はおすすめできません。」
その言葉を聞いて私は、
(なんということだ。自分の体が治らないなんて・・・)
本当にショックでした。
でも、命には別状がないのです。
命に別状がない病気でも、現代医学で治すことが非常に困難だという宣告を受けたときの気持ちは、何とも言い難い嫌なものでした。
(もし命に関わるような病気を宣告されたらどんな気持ちなのか・・・)
自分だけではなく、家族もつらい思いをすることになります。
それまでにも、健康関連の仕事をしてきて、重病の方のお話を聞くことも多かったのですが、その方の気持ちを理解しているようでも、本当のところは理解できていなかった自分に気がつきました。
1 若いころ
2 阪神淡路大震災
3 脱出
4 お金が紙切れに
5 何かが違う
6 うつ病で退職
7 見えない世界の入口
8 治ったという思い込み
9 原因は頚椎ヘルニア
10 リンパセラピーとの出会い